012種類の想定がある
洪水浸水想定区域図には、少なくとも2つの前提があります。ひとつは「計画規模(L1)」で、河川の整備目標として設定された降雨に対する想定です。もうひとつが「想定最大規模(L2)」で、その地域で科学的に想定しうる最大の降雨に対する想定です。
同じ住所を2つの図で引くと、色が変わります。計画規模では白い場所が、想定最大規模では3mの浸水深になることもあります。どちらも正しい図ですが、答えている問いが違います。
02備えの基準は想定最大規模
計画規模は「整備が完了すればこの程度まで耐えられる」という目標です。一方、実際に起きる豪雨は目標を超えることがあります。2018年の西日本豪雨や2019年の東日本台風では、計画規模を超える浸水が各地で発生しました。
したがって、避難の判断や住まいの選択では想定最大規模を基準にしてください。防災ポータルの地図が重ねているのも、想定最大規模の区域図です。
03深さだけでなく継続時間も見る
浸水深が同じ50cmでも、半日で引く場所と1週間続く場所では取るべき行動が変わります。前者は垂直避難で足りることがありますが、後者は電気・水道・トイレが使えない期間をどう過ごすかの問題になります。
地図の「追加レイヤー」から浸水継続時間を重ねられます。在宅避難を前提にするなら、深さと継続時間の両方を確認してください。
04データのない場所は「不明」
区域図に色がないことは、安全の証明ではありません。想定の対象になっていない中小河川や、調査が行われていない区域では、そもそも図が作られていません。
白い場所については、標高と周辺の地形を併せて見てください。防災ポータルは住所検索の結果に国土地理院の標高を併記しています。
この記事は公的機関が公開しているデータに基づく解説です。避難や契約などの判断には、自治体の公式資料と専門家の判断を併用してください。